旅人Natsukiのワイナリー探訪記 Episode1.

みなさんこんにちは、ワインライターの旅人Natsukiです。
今回は、私が訪れたワイナリーをご紹介しようと思います。

5日間かけて巡ったワイナリーはどこも人の温かみに溢れていて、生産者を知ることでワインへの愛着がぐっと増す旅でした。

フランスへ行かれる際はぜひ、ワイナリーを通してワインの魅力に触れてみてください!

黄金の丘で見た夢の景色

フランス、パリのシャルル・ド・ゴール空港からリヨンを経由して、ディジョンの街へ。ワインだけを目的に初めて海外のワイナリーを訪れたのは、2019年の5月のことです。友だちと向かい、現地でフランスワインに詳しい日本人ガイドの方と合流して4日間、各地のワイナリーを巡りました。

 1日目は、朝早くから車でブルゴーニュへ。赤ワインの銘醸地であるコート・ド・ニュイ地区のグラン・クリュ街道。ブルゴーニュ地方のなかでも、特に*プレステージ性の高いブドウ畑の中を縫って走るグラン・クリュ街道は、コート・ド・ニュイ地区とコート・ド・ボーヌ地区、ディジョン市からサントネイ村まで60kmに渡って続きます。両側に広がるブドウ畑を見渡すことができ、畑のあちこちには、大好きな銘柄や憧れのワインの看板が立っていて、この道を歩くだけで感無量。体いっぱいにブドウ畑の空気を吸い込みました。ブルゴーニュ最高峰と言われる「ロマネ・コンティ」の畑もあって、夢に見た場所に降り立ったような、すごく不思議な気持ちになりました。ワイン好きならここは欠かせないスポットです。

*プレステージ性の高い…「威信」の意味を持ち、生産者の名に懸けてリリースされる、最高級クラスであることを指します。

伝統ある空間に踏み入る

 うっとりとした気持ちのまま訪れた1軒目は、100年近い歴史をもつ老舗ワイナリー「ドメーヌ・アンリ・グージュ」でした。創始者のアンリさんはドメーヌワインの立役者であり、ワインに格付けやコルク栓を取り入れた時代の先駆者と言われています。普段はワイナリーを解放されていないのですが、ご厚意で特別に伺うことができました

海外ワイナリーで初めてのテイスティング

 ワインが眠るのは、10度ほどの一定の温度に保たれている地下貯蔵庫。フランス語で「カーブ」と呼ばれるその空間は、天然の冷蔵庫にいるような肌寒さで、地下一階、二階と階を下るごとに温度が下がります。そこに置かれた樽を開けて、ご当主が瓶詰めされる前のワインを汲み上げてくれるんです。

 試飲中、当主は英語でそれぞれの特徴や歴史について語ってくれました。「この年はすごく暑い年だったから、ブドウの糖度とアルコール度数が高く、果実味が強い」「雹(ひょう)が降った年のものは、寒さでブドウが完熟せず軽めの口当たりに仕上がっている」。話を聞きながら2016年、2017年、2018年のものを飲み比べて、同じブドウでも育つ気候によってこんなに違うんだって改めて感じました。

忘れられない、特別な時間

 テイスティングって注がれたものを全部飲んでいたら酔ってしまうからひと口含んで味わった後は吐き出すのですが、「大好きなワインなのにもったいない!」という気持ちと興奮で全て飲んじゃったんです。午前中で約10本分を試飲して、すでに酔いが回ってきていました(笑)。でも、あの空間は一生忘れないし、何ものにも変え難い特別な時間になりました。

酔いが醒めやらぬまま私のワイン探訪の旅はまだまだ続きます。
次回は、「ヴォルネイ村」へ向かいます。
更新をお楽しみに!

ドメーヌ・アンリ・グージュを探す
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