旅人Natsukiのワイナリー探訪記 Episode2.

みなさんこんにちは、ワインライターの旅人Natsukiです。
私のワイナリー探訪記、今回はボーヌのランチから旅の続きをお楽しみください。

もう一度食べたいあの味

 ランチは、*パテ・アン・クルートの世界選手権で賞をとった料理を食べに、ボーヌにある一つ星レストラン「ル・ベナトン」へ。ここは、オーナーシェフが日本人の方で、どの料理もすごく繊細な味付けや盛り付けがされていました。目当ての「パイ包みのパテ」には鳩、キジ、子羊の胸肉とキノコ、それにトリュフやフォアグラも使われ、ランチにはかなり贅沢な一皿でしたね。さまざまな食材が入っているのに口に入れると一体感があって、これがブルゴーニュの赤ワインにぴったりなんです。フランスに行ったら、もう一度訪れたいレストランです。

*パテ・アン・クルート…肉類を使った生地をパイ皮で包み、加熱したフランスの伝統料理

何百年も受け継がれてきたストーリー

 午後は、ヴォルネイ村で約200年ワイン作りを続けている「ドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィル」を訪問しました。コート・ド・ボーヌ地区は白ワインの銘醸地なんです。ただ、私はここの赤ワインがすごく好きで(笑)
ずっと行きたいと思っていたんです。

 念願の地でのテイスティングは至福の時間でした。美しい渋みをもったエレガントな味わいは土地や気候の良さ、そして農家さんのワイン作りへのプライドが生み出した賜物です。ビオデナミティック(自然派)な栽培で実ったブドウから、良いものだけを手作業で厳選してワインに仕上げる。これを何十年も、何百年もこの土地で続けてきたと思うと感慨深い気持ちになりました。

ワインが繋いでくれたもの

 フランスワインの歴史を遡れば、最古の記録は紀元前と言われていますが、日本でのワインづくりは江戸時代、豊前国小倉藩(現在の福岡県北九州市)の記録が最古だとわかっています。当時この地を治めていた細川藩の藩主・細川忠興の奥様(ガラシャ夫人)がキリシタンだったことが関係しているのではないかと想像が掻き立てられます。ちなみに日本で最初にワインを飲んだ有名人は織田信長で、ポルトガルの赤ワイン「ティンタ(日本語でチンタ酒)」だったとか。

 ワインを通じて知らなかったことを知れたり、行きたかった場所に行けたり、会いたいと思っていた人と出会えたり。この旅だけでも、世界の広さと可能性を感じ、また自分の価値観と世界が広がっていきました

ドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィル
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